突発性難聴


突発性難聴の治療は時間との勝負
突発性難聴とは、何の前触れもなく、突然耳が聞こえなくなる病気です。

その原因は不明であり、誰にでもある日突然起こりうる可能性があります。

一般的な治療法としては、ステロイドホルモンの投与や点滴、高圧酸素療法、星状神経節ブロックが挙げられます。

突発性難聴の治療は時間との勝負と言われており、発症してから(耳が聞こえづらくなってから)すぐに病院へ行き、治療を受ける必要があります。

当院のデータによると、発症から48時間以内、遅くても1週間以内に治療を開始すれば、改善確率は90%以上となります。

しかし、時間が経つにつれてその確率は低下してしまうのがこの疾患の特徴です。

たとえ、病院での治療開始から数週間が経過し、「これ以上改善の見込みはありません」と宣告されても、そこからでも「少しでも早く」来院いただければ、改善していくことがよくあります。

また、突発性難聴の患者さんの中には、季節の変わり目に発症する方や、雨や台風の日に症状が強くなる方がいます。

これは、外部からの刺激に体が対応しきれず、自律神経が乱れている方に多く見られる状態です。

突発性難聴の患者さんのほとんどが自律神経の乱れを抱えており、外部からの様々な刺激に過剰に反応してしまうことで、症状が治りにくくなっているのです。

まず、突発性難聴の方は、最初に耳鼻科に行くべきです。耳鼻科で外耳道の閉塞がないか、鼓膜に異常がないかを確認し、聴力検査で感音難聴かどうかを調べる必要があります。

そして、医師から「突発性難聴」と診断を受け、耳鼻科での治療を受けた後に当院にお越しください。

当院には、2つの役割があります。

まず1つ目は、耳鼻科の治療を補助する役割です。

当院に来られる突発性難聴の方は、基本的に耳鼻科の治療と並行して当院の治療を受けられます。

ステロイドや薬の服用だけでは改善が見られず、当院での治療を試みる方が多いのです。

また、妊婦さんなど薬の服用が難しい方にとっては、当院の鍼灸治療が重宝されます。耳鼻科の治療と当院の治療、この2本柱で突発性難聴の改善を目指します。

2つ目の役割は、最後の砦としての役割です。

前述の通り、突発性難聴の治療は時間との勝負です。

発症から約1ヶ月で聴力が固定されると言われ、それ以降の聴力改善は困難とされています。

このような状況になると、医師から「これ以上の回復は望めない」と言われることが多いです。

しかし、聴力は生活において非常に重要な要素です。難聴がもたらす精神的な苦痛は大きく、コミュニケーションや社会的な地位にも影響を及ぼします。

そのため、病院から見放され、最後の希望を抱いて当院に来られる方が多くいらっしゃいます。

もちろん、この段階で「治せます」と簡単に言うことはできませんが、私たちは今までの経験と技術を最大限に活かして、患者さんのために全力で治療に取り組みます。

ただし、この場合、患者さんにお伝えしていることがあります。
それは、まず10回は連続して治療を受けていただきたいということです。

この10回の中で症状に何かしらの変化があれば、改善の見込みがありますが、一切変化がない場合は当院の治療でも難しいと説明しています。

私たちは、症状の改善が見られるまであらゆる手を尽くしたいという想いがありますが、患者さんにも治療の目安が必要ですので、このような伝え方をしています。

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立川泰三

体を動かす事が大好きです!
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